日本のIT革命は10年後に起こる

IT革命って言葉、懐かしいですね。
森首相が「イット革命」と読んで話題になったのは2000年です。
17年前ですよ。
あの時は確かにIT産業に新しい波が来ていました。
インターネットという技術的なイノベーションが一般的になっていった時期で、
色々なITベンチャーが立ち上がっていた頃です。
あれから17年、日々の生活は多くの面で変わっています。
ですが、本当の意味でのIT革命はあと10年後に来ると私は予想してます。
大企業から田舎の地方自治体まで、ITをフル活用するような社会です。
正直今の日本はまだまだIT知識が低すぎます。。。
でもそれも仕方ないことなのかなという事情があります。それは。。。

インターネットが一般的になってからまだ17年しか経っていない

IT産業というのは100年の歴史もない産業で、ただでさえ進化の途中なのですが、
インターネットが出て来る以前と以後では、根本の考え方が変わってしまいました。
わかりやすいのがクラウドサービスです。
クラウドというワードも最近は当たり前すぎて実感がわかないと思いますが、
これは一般的になって来たということです。
インターネットが出て来て、技術が進化して、簡単なサービスであれば、少人数で立ち上げられるようになりました。
ベンチャー企業のような新しい企業では、そのメリットを最大限生かして色々やっているのですが、
大企業では未だにうまく生かし切れていません。
その理由としてIT技術の発展スピードに企業の仕組みが追いついてないことが挙げられます。

IT産業は歴史の浅い産業

IT産業の黎明期、1970年代まではディスプレイ式のキーボードは普及していませんでした。
では何を使ってプログラムを作っていたかというと、ビンゴゲームのカードのような、紙に穴を開ける「パンチカード」と呼ばれるものに穴を開けて、機械に読ませるという形式でした。
とてもつない作業ですね。。。
なのでパンチャーと呼ばれる、ただ穴を開ける職人がいたそうです。
今でも大手のSIerでは上流工程=設計、下流工程=プログラマと馬鹿げた区分けをしていますが、
これはこのパンチカードの時代の仕事のやり方を未だに引きずっているからではないでしょうか。

最近のIT開発事情

パンチカードの時代には、サーバーを構築するなんて個人では不可能でした。
高級なものですし、1つ1つの部品を組み立ててやらなければいけないし、とても大変な作業だったのです。
2000年代に入って、その頃よりは個人が手を出しやすくなりましたが、まだまだオタクの一部しか作れないものでした。
アキバでパーツを買って、1個1個組み立てて、壊れれば交換する、、、なんて仕事じゃなきゃできないですよね。
それが今では、AWSのアカウントを開設して、5回くらいクリックすれば、簡単にサーバー構築できるのです。
そしてWebフレームワークによって、素人でもtwitterみたいなアプリが作れてしまうようになりました。
パンチカードの時代から考えたら、ドラえもんの世界って感じでしょうね。
そのぐらい技術が進歩しているのに、大手のIT企業の体制・組織がパンチカードの時代から進歩していないのです。

どうして遅れているのか?

では大企業の偉い人はその事実を認識していないのか?というとそんなことはないです。
ちゃんと危機感は持っていると思います。ですが、ここで問題があります。
それは今、大企業を動かしている年代の人たちは、インターネット技術を自分の手で作ったことがない、という事実です。
今の50代〜60代の人たちが手を動かしていたのは、彼らが20代の頃、つまり30年前ということになります。
1980年代ですね。ようやくパンチカードはなくなったかな、、、というレベルの頃です。
そこからインターネットが普及し始めた2000年代になる頃には前線でバリバリやっていた彼らもすっかり手を動かさなくなり、
部下に命令をして、組織を動かす仕事しか、していないのです。
つまり、、、
インターネット以降の技術を「概念」でしか捉えられていないのです。
経営とか、マネージャー論を読むと技術的な細部に入る必要はない、という論がほとんどです。
私もそれは正しいと思います。
しかし、IT業界に限って言えば、細部を知らないマネージャーは機能しないはずです。
なぜなら産業の進歩が激しいため、短い間に技術ルールが変わってしまうからです。
インターネットを前提としたシステムを自分の手で作ったことがあるか否か?は致命的な差になるわけです。
そして私の観察してる範囲ですと、大企業で50代以上の人で、インターネット普及期以降の技術を触ったことがある人は皆無です。
ギリギリ45歳くらいまでですね。あと大企業ではなく、フリーで技術一本でやっているような方はまた違います。
あと40歳前後のエンジニアの方達はかなりハイスキルな印象です。
これは企業規模や、フリーランスかどうかとはあまり関係ないです。
やはりインターネットが普及して、1人でできる技術範囲が爆発的に広がったためにそれに追いつかなくてはいけない人たちは自然とハイスキルになっていったのだと思います。
この40歳前後の人たちが大企業の偉いさんになり、日本を動かすようになってくると、本当の意味でIT革命が起きるはずです。
日本はなんだかんだ言って年功序列が強いですし、理屈が通らなくても年長の偉い人が言ったら通ってしまう社会です。
もちろん良い面もあるのですが、IT技術に関しては裏目に出ていますね。
IT革命が起こった10年後はかなりIT導入が進むはずです。
自治体や役所、大企業の紙の文化が無くなるはずです。
今のところ全く無意味なマイナンバー制度も使えるシステムになるでしょうね。
1人のエンジニアとして、早くそんな革命が起こらないかなと心待ちにしています。
大企業や役所の40代前半の課長クラス?の皆さん、期待しています!

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